20
高校生の頃に想像も出来なかった未来に今いる 上がってくる胃液とアルコールの名残、夜露に濡れた横断歩道を渡り、朝5時に駅に居たりする 現在を倒置して、先のことに固執してばかりいるけど、そうするしかないって思ってる
カーテンの隙間から日が差しても横になって、密度が濃いなんて感じたことはなかった
年々、感情を突き上げる機会が減ってしまった 死にたいともあまり感じなくなった、誰かを本気に好きになったりもなくなった
自分の濃度が薄くなっている、そう感じてる
天気が曇りだと落ち着く 日差しを浴びると透けて無くなってしまう恐ろしさがある
19歳が終わるまではなんでも出来る気がしていた、何にでもなれる 破壊衝動も毒づいた愛も生活に密着していた
それを若さというのかもしれないけど、全部終わってしまったんだなと感じてしまう
刹那的に生きたいけど、バスの車窓から走り去る中央分離帯を眺めているとまだ足踏みしているだけだってさ
レモングラスの香りがする下剤も煙草の匂いも昔貰ったギターもいつまでも後ろ髪を引かれる要因で
早く捨てたい、何もかも 20はもう直ぐ終わる